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コラム

ドラム(打楽器)を演奏するという事

 ~ドラムを演奏するとストレスが発散できそうですね~

  本当に良く聞く言葉です。これは演奏する姿があちこちをめったやたらと叩きまくって暴れているように見えることから来るのだと思います。確かにごく初期の段階ではそういう楽しみ方もあるかもしれません。しかしこの考えのままでは音楽は演奏できません。まず、打楽器は叩くものではなく奏でるものであるという意識が大切です。

打楽器奏者について

 幼児期から始まる演奏経験の中で非常に残念なことは学校等で指導する側が音楽の素養が足りないと思われる子に打楽器を担当させることです。確かに単に音を出すだけなら他の楽器より簡単ですから音楽アンサンブル経験の入り口として打楽器を取り入れる事は必然です。しかし音楽経験を積む中で理解しなければならないのは〈打楽器は音楽アンサンブルに於いて基本的には骨格を成すものであり、全体に及ぼす影響の大きさを考えれば、演奏する楽曲を誰よりも深く理解していなければならない〉という事です。特にドラムセットは楽曲のテンポ、ダイナミクス、グルーブ(リズムのニュアンス)等を決定づける力が非常に強い点から、ドラム奏者にはクラシックのオーケストラの指揮者と同等の感性、人間性が必要です。幼児期から体験できる間口の広さと生涯をかけて高みを追求できる奥深さが打楽器の最大の魅力でしょう。

身体のケア

 ドラムの演奏は手足をすべて使います。しかも100分の1秒レベルの正確さでコントロールしなければなりません。頭のてっぺんからつま先までをしっかりケアしていなければ最高の演奏をすることはできません。筋肉、骨格、神経、姿勢、呼吸、動作、そして食餌。それら全てに注意を払い身体感覚を磨く事が真の演奏技術を身に付ける秘訣です。

心のケア

 これは演奏技術以上に一生涯をかけて追求すべき要件です。打楽器の演奏に必要なのは音楽を推進させるエネルギー、劇的なシーンを演出する決断力、周りの演奏者やそれを取り巻く全ての状況を受け入れる包容力、自分を俯瞰して見られる客観性。云わば剛柔を兼ね備えた人格が必要です。また、一生涯音楽を追求する間には沢山の壁を越えなければなりません。その為にも音楽と自分自身の可能性に対する情熱は不可欠です。

情操面を育てる

 素晴らしい音楽を追求し経験する中で人間が人間たる所以ともいえる情操面が育ちます。私自身、個人競技のスポーツ選手から音楽家に転向する過程で音楽アンサンブルに必要な沢山の事を学び成長してきました。芸術に触れる事は自分と人を理解し健全な社会生活を営むことにつながります。

理論と技術

 音楽教育に於いて理論と技術は指導の二本柱です。しかし気を付けなければならないのは理論も技術も二次的なものであり音楽の本質ではないという事です。元来音楽は心から自然発生したものであり、そこには純粋な魂の叫びのみが有ります。音楽教育が理論や技術に偏ってしまうと音楽そのものが形骸化してしまいます。

音楽を学ぶ

 「事件は現場で起こっている!」という有名なセリフがありますが音楽を含め芸術の世界も正にそうで、一番の学びの場は教室ではありません。生きた芸術を学ぶならば現場に出る事をお勧めします。その経験を教室で検証するスタンスがあれば本当に素晴らしい学びとなるでしょう。

コーラスのすすめ

 ドラムやパーカッションを演奏する上で最も気を付けなければならないのは他の楽器との音量バランスです。打楽器は周りの音楽に対して大き過ぎれば騒音となり、小さ過ぎればショボクレた寂しい演奏になります。常にその音楽が要求するダイナミクスを絶妙にトレースしなければなりません。アンサンブルとはハーモニーであり全ての音とハモる感覚が必要です。特にドラムは低音から高音まで同時に扱うので、自分が出しているそれぞれのヴォイスが周りのサウンドとどのようにブレンドしているかを聞きわける耳が必須です。その耳を育てるのに最も有効なのがコーラスをすることです。他の人と声を合わせる時には相手の声質や音量、ニュアンスを聴きとってベストと思われるポイントに自分の声を持っていきます。コーラスのツボが分かればその感覚を楽器演奏に取り入れるだけです。ドラムをハモらせる!これは私のモットーです。

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